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Like a Star -2-

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Starlight Shores

 


「あ、しーちゃんまた危ないトレーニングしてる…。」


「あっ、ふーちゃんだ!おはよ~♡」


「ね、しーちゃん…なんで急に「ロマンスの達人」達成しようと思ったん?
ちょっと前まで全然関心なかったやん。」

「ん~…仕事も慣れて来てもたやん?…ちょっと気分転換?」

「気分転換て…そんな風に決めてもてええことなん?
なんか急いでるみたいで心配や…。」


「曲芸キャリアではもう誰もしーちゃんには敵わへんし、そのプレッシャーも
マンネリも、わたしにはわかるけど…。」


「ふーちゃんはシンガーで生涯願望の「伝説のボーカル」も達成してるし、あんな素敵なエラっていう
恋人もおるし、なんかええなぁって思うんよ。」
「エラは…べつに、そんなんやないし…。」
「…あんなにいっぱいしてるのに?」
「…してる、けど。」
「ふぅん。ま、ふーちゃんもシンガーキャリアでは向かうとこ敵なしやもんね。」
「今は、ね。ただ、目標を見失っただけやわ。」

「サディーの引退は残念やったね…。」
「わたし、まだ納得してへん。やからこの地位を守り続ける。サディーが戻ってきて
この足元を揺さぶってくれると信じてる。」

「ふーちゃん、心配させてごめんな。元気だして。ね、ギターを弾いて?
ふーちゃんの音で練習させて。」

あたしは、もっと、燃えていたかもしれない。



「…お前ほんまにそのカッコのまま行く気か?」
「だって、恥ずかしい…。こわい。」
「いまさらビビってんな。あほか。」

「ロボット・アクティベートすんな。どんだけ着ぐるみ持っとんねん。」
「…そんな奇抜な服着てるどみちゃんに言われたくない。」
「は?この時代のファッションが俺にとってどんだけダサいと思ってんねん。
いつもお前が着ろゆう服を俺は渋々着たってんねんぞ。」


「も~!どみちゃんめっちゃウルサイ!」
「”めっちゃ”とか使うな。お前と遊んでたら前座に遅れるわ。行くぞ。」


The Binder Clips Center



(ライカにカッコ悪いとこ見せたないけど)


(本来なら俺のレベルで上がれるステージやない。)


今の全力で演るだけや。

 



「…俺が着替えてる間に何があった?」
「えへへ♡どみちゃん、ライカかわいい?」
「は?ちゃんと説明しろ。」

「ベロナール様のお兄様に会ったの!お兄様、お医者さまでね
ベロナール様と同じ綺麗なブルーの瞳がすっごく素敵なの!!かっこいいの♡」
「…要領を得んな。アルヴィンさんが来とって、服買うてくれたってことか…?」
「うん!」
「ちゃんと礼をゆうたんか?お前ほんまほっといたら何するかわからんな。」

「ねぇ、どみちゃん、ちゃんと見て…?
ライカすごくうれしい。ライカは筋肉質だし、おっぱいだってこんなだし。
身体が大きく見えて嫌だったの。でもこのお洋服、すごくライカのスタイル
キレイに見せてくれてうれしい…。魔法みたい。」


(こいつ…やっと顔が見れたと思った途端にこれか。きっつ…。)

「どみちゃん…ライカ、だいじょうぶ…?」

「これなら、ベロナール様に気に入ってもらえる?恥ずかしくない…?」



「ライカ」

「心配すんな、大丈夫や。お前は可愛い。」


「どみちゃん…ありがとう。行こう!ベロナール様のショーが始まる。」





(大曲芸師、ベロナール。さすが、完璧や。)

生の迫力に圧倒される。


(涼しい顔しやがって…。)

その美しさにすべての観客が魅了される。

これが“天性のパフォーマー”か!


 


「アルにぃ!来てくれてありがとう♡どうやった?」
「シャル、最高のステージやったで。」


「昨日、ゆうとった客を連れて来てる。挨拶するから待っといてくれるか。」


「どみちゃん!ほら!ベロナール様のお兄様!あとあと…どうしよう!
ベロナール様がこんなに近くで動いてる…!」
「わかってる。落ち着け。」


「君がドミニッチくんか~!初めまして。前座、見せてもろたけどめっちゃ格好良かったで。
ええ身体してんね?後でまたゆっくり話できたらええねんけど。」
「…ありがとうございます。ライカスタにも服を。俺が気付かんくてすみませんでした。」
「あ~似合ってるやろ?心配いらんで、選んだのは一緒に来てる妹達やからね。」


「着替えて来るから、座って待っててくれる?」


「ドミニッチ、あなたのこと聞いてた。未来から来てる男の子がいるって。
会えてうれしい。」


(俺のことは聞いたんか…。シャーロットさんは、自分の運命をどこまで知ってるんや…?)

「ライカ…?」


(は…?着替えてる場所こっちから丸見えやんけ。…わざとか?)


(そら、結婚してもおかしない、か。)


「ごめんね?まだスパにも行ってないからこんな格好で。」


「アルにぃからあなたのことも少し聞いてる。熱心に応援してくれてるって。」


「ライカスタ・ヴォイジャー。素敵な名前やね…?」


「…おい、ライカ。お前なんもしゃべらんでええんか?」


「気にせんでええよ?慣れてるから。でもごめんね、今日はそんなに時間がなくて。」
「すみません、時間作ってもらって。ありがとうございました。」


「ライカスタ、ドミニッチも。今日はここまで来てくれてありがとう。」


「ベロナール様…。ライ…私、ずっとずっと応援してます。どんなことも。
だから、あの、ぜったい無理しないでがんばってください…。」
「あと…私のこと、覚えていて…ほしいです…。」


「ライカスタ、あなたの髪色も、その瞳の色も、肌の色も、そして声も、
初めてよ…とてもかわいい。」


「ありがとう。あなたを想って、あなたのためにいつも最高のステージにするわ。」


「また、観に来て。ステージから必ずあなたを見つける。」


「待って。曲芸師 “ニーリックス”」


「今日のパフォーマンスのことで話しておきたいことがあるの。」


「お仕事の話?」
「そうや。お前あんまりウロチョロすんなよ。」
「も~!どみちゃん♪ライカ子供じゃないんだから!心配しないで♡」

「すぐ戻る。(あかん、こいつめちゃめちゃ浮かれてんな…。)」


「今日は会場を温めてくれてありがとう。前座は使わない主義やったけど
すごく演りやすくて勉強になったわ。」

「いえ、こっちこそ貴重な経験させて貰いました。ありがとうございます。」
「曲芸のセンスがあるわ。ただ、身体もある程度は作ってあるみたいやけど痩せ過ぎてる。
それじゃ、スタミナがもたないわ。」
「表情も硬い。もっと笑顔の練習をして。」


「今は、センスと勢いでなんとかなってると思うけど、本気で向き合わないと…。
曲芸で命を落とすわ。」

「アドバイスありがとうございます。前向きに取り組みます。」


「よかった…聞いてくれて。それと、あなたにお願いがあるの。」


ドミニッチ、あたしのロマンスの相手になって。


「…誰に、何をして、何をゆうとんのかわかってんのか!?ご先祖さん!

「今、あなたとあたしが生きて、ここにいる。
それ以外の事実は」

「俺が振りほどく前に、手を離せ。」



「ライカ!ここにおったんか。帰るぞ!」

「あ、どみちゃん。」
「あ~残念。ヒーローが迎えに来てもたな。」


「ドミニッチくん、まぁそんな焦らんでええやん?」
「すみません、また連絡しますので今日はこれで…」


「待て。妹とその妻になる女の子を任された君がどんな男か
もっとおれに教えてくれるまで帰さへん。」
「…は…?」


「へぇ、その反応…まじか。ごめん、嘘や。」


は?…喧嘩売りに来たんか。


「うーん…あかんなこの距離でもなんやよう聞こえへんな~。」


「あたし達だけあの2人に接触禁止とか、つまんない。」
「え~っと、ドミくんの特質は~“考慮”と~“社交下手”入っとんのかぁ
“天才”で“口達者”のアル兄ちゃんに敵うわけないな。」
「アル兄ちゃんに敵うのはアリス姉ちゃんだけでしょ。」
「ま、遠くからでもいっつもニコニコ笑ってて絶対怒らへんアル兄ちゃんが
メラメラしてんの見てるだけで面白いけどね。」

「アル兄ちゃんはしーちゃんのことになるとちょっとオカシイからな~。」
「ね、ヴィオラのほうがぼんやりしてて心配やのにね?」
「うちはトリちゃんがしっかりしてるからええんですぅ~。」


「真っ青な顔して、アリス姉ちゃんとこに相談に来たって聞いた…。」


「そう、なんも間違ってなかったはずやのに、そのときに
しーちゃんを強く拒絶したことを、アル兄ちゃんはずっと気にしてる。」


「まぁ、そんなおっかない顔せんでや。君には謝りたいと思ってたんや。
うちの母親がしたこと。」

「それは…気持ちわからんでもない。あいつは子供っぽいし…。
シャーロットさんは…相当イカれてる。」

「あぁ、唇を奪われただけやなくて、ベッドにでも誘われたか?
ただでは帰せへんと思ってたけど、シャルは思ってたより手が早いな。」

「止めてくれませんか。妹さんを。」
「無理やな。シャルは“誘惑的”を封印して生きてきたようなもんや。
それを活かそうと思ったからにはもうあいつに落とせへん奴はおらんやろうね。」


「忘れたらあかんで、君が守るのは一人やない。二人や。」


「は?俺が守らんでも、シャーロットさんやったら大丈夫やろ。
避ける間も無い位、一瞬で距離を詰めてきたあの瞬発力があればなんとかなるやろ。」
「ライカは、俺が側におる限り、傷一つつけへんと約束する。」



「放ったらかしてばかりですまん。帰るぞ。」
「どみちゃん…。どうしたの?…なんか怒ってる?」
「べつに、怒ってへん。ちょっと疲れただけや…。」


「ね、ほんとに顔色悪い。はやく帰ろ。どみちゃん、今日は無理させてごめんね
ありがとう…。」
「なんも無理してへん。…せやな、はよ帰ろう。」


「あ~ぁ。お手々つないでもーて。」
「ね。かわいい…。」


「ほな、おれたちも帰ろうか。」
「ちょ、それだけぇ~!?もっと聞かせてーな大人しく待ってたのに~!」

「で、彼はどうやったん?アル兄ちゃん的には。」
「あぁ…ま、肝が据わってることだけはわかった、かもやな。」


 


「どうしたの?うちに来るなんて珍しい…そんなに発情して。」


「変装までしちゃって、あなたの美しさそんなんじゃ誤魔化せないわよ?」
「…ここまで来るのに邪魔されたくなかったの。エラ…もう知ってるでしょ?協力して。」


「あなとはもう、ブリッジ・ポートでしてるのに?」
「リセットされちゃった。かもしれない。もう一度始めるなら
エラ、いちばん最初はあなたがいいの…。」

「ふーちゃんに、怒られる?嫌ならゆうて…?」
「オフィーリア?怒るかしら…。わからないわ。」

「それに、ここまでしておいて今、確認すること?」


「いいわ、シャーロット。協力してあげる。」


「ふふ…やっぱり合うわね。交代、しましょ?」
「ん…エラ、もうええの?もっとするのに…。」


「あなたを抱かずに帰すわけないでしょう?」


「あ、…ふふっ…濡れすぎて滑っちゃう…。」
「あ、いや…エラ、はやく…入れて…」


「シャーロット、やっぱりあなた最高よ。」
「あはは!エラ、ピロートークやとしてもそれは、あかん。
帰るのがさみしくなっちゃう。」


「そんなに私のこと好きだったかしら?」
「好きよ。エラはあたしとふーちゃんの初めての相手やから特別なの…。」


「エラ、ふーちゃんにエラの想いが届くこと祈ってる。」
「なぁにそれ…?」


「ふーちゃんに振られたら、また、しよう?」
「まいったわ。そうね…でも、そうならないように努力するわ…。」


(私が、他の子を抱きながら彼女の名前を…?そんなこと初めて。)


「オフィーリア、打ち合わせお疲れ様。メッセージを聞いても、
折返しかけてこなくてもいいわ。明日のステージが終わったらうちに来て。」

「大事な話があるの。」

 


Like a Star -2- END


 

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