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Oasis Landing
「ご先祖のキャリコおばちゃん!ぼくにお願いってなに?」
「うちの娘なんやけどね、いちばんしたの。これがちょっとけったいな子で。
家系に加わるはずの女の子も初めてのエイリアンなんや。この子もなんや子供っぽい子で、
ほっといたらどうなるかわからへん。未来の危機や。わかるか?」
「なんやわからへんけど…未来の危機…。こわッ!」
「それでやね、おばちゃん、妖精やけど実は魔法も使えるんや。君を魔法で大人にしたるから
過去へ行って、二人のそばで見守ってくれへんかな?うまくいくように。
ご褒美にな、最新型のホロペットと中世のドラゴンをあげるで!すごいやろ?」
「ええええ~!ほんまに!?おばちゃんすごいな!」
「おばちゃん、ぼくにできるかな?中世のドラゴンほしい!おねがい!」
「できるできる!君は女の子を守り抜くスーパーヒーローやで」
“頼んだで、危なっかしいうちの娘達を…。”
恋に落ちれば、
相手をより強く守れるのか。
それとも壊すのが先か?
「どうにもならん。あいつはご先祖のシャーロットさんのもんや。」
”ラマ芸能速報!本日は大曲芸師ベロナールの初めてのスキャンダルとなるか今後の報道に期待…”
「は?いやいや、おかしいやろ。」
「なんで急にそのエイリアンスーツ着てんねん?暑っくるしいわ。」
「…べつに。」
「今日のスキル上げはなにするんや?」
「絵を描く…。」
「あいつ…今日はなんもベロナール様~ゆうて騒いでへんかったんはこれのせいか…。」
「”ロマンスの達人”……達成の条件はなんや?」
「なんで、今このタイミングなんや。その5人にライカは入ってないんか…?」
「ライカ。」
「となり、ええか?」
「うん…。」
「お前、気にせーへんゆうてたやろ。そんなんなるんやったら止めたらええんちゃうんか。」
「…気にしないもん。ライカどんなベロナール様でも。でも…」
「後になろうが、先になろうがどうせ結果は一緒や」
「ちがう。今のライカはベロナール様のただのファンだからそんな権利ない。」
「それに…ベロナール様の夢を叶える邪魔したくない。でも…くるしい。」
「ま、お前もこっちで好きにしたらええやんけ。このルナー・レイクスにも
なんぼでも男はおるしな。5人でも6人でもやればええ。さっさとせな皆結婚してまうぞ。」
「ライカ、男の子きらい。それにライカ結婚するまで誰ともそんなことしないもん。」
(は?本気で言うとんか!?!?)
「おまえ…それはよ言えや…。あっぶな…。」
「…?」
(スキル上げもやっとる。)
(飯も食えてる。)
(それでもずっと、鎧を着たまんまや。)
(俺に出来ることは?)
「キャリコさん、頼み事があります。断りませんよね?」
「おい、それは俺のベッドや。」
「…ライカのベッドないもん。」
「お前、眠らんからしゃあないやんけ。」
「どみちゃん…ごめんね」
「なに謝ってんや」
「ありがとう…いつも気にしてくれてる…。」
「ただの使命感や。俺は他の生き方を知らん。」
「ライカ。スターライト・ショアに行くぞ。」
「え…?」
「ギグをさっき決めて来た。俺はまだレベルが低いからビッグショーステージで
”大曲芸師ベロナール”の前座やけどな」
「身内の権限でお前とシャーロットさんを会わせたる」
「ライカスタ・ヴォイジャー。覚悟を決めろ。
向こうで何を見ても、聞いても動揺するな。」
「自分の目であいつの存在を確かめろ。熱狂するファンの中、
お前たった一人が選ばれることを実感しろ。自信を持て。」
(そして、早く。)
Like a Star -1- END